株式会社パーソナルクレド舎

本当にやりたいことをして、生きていきたいなら。

木蓮

 

自分にしかできないことしかしないのって、勝手?
やりたいことしかしたくない自分は、わがまま?

そんな相談をよく受けます。

でも、自分にしかできないことが、誰かのお役に立つことになれば

自分にしかできないことをすること=誰かの願いになるんです。

かつてクリエイターの方々の講演を

本にする仕事をさせてもらっていました。

佐藤可士和さん、岡康道さんなど、日本を代表するクリエイターの方々のお話しの中には、

自分を輝かせながら、世の中を変えていく仕事をするためのヒントがあふれていました。

 

中でも、本当に自分にやりたいことをする、という意味でよく思い出すのは、

 

宇宙で撮影した、ポカリスエットやカップヌードルのCMで有名な、

クリエイティブディレクターの高松聡さん。

 

高松さんは、電通時代のほとんどを営業としてすごされました。

クリエイティブ試験を受けたくても、上司に反対されて、

10年以上もの間異動が叶わなかった。

けれど、どうしても、

クリエイティブ局に行きたかった高松さんは、

自分にしか作れないCMを作ることにしたのです。

 

高松さんは、本気で宇宙飛行士になろうと勉強して、

目が悪くてあきらめたというくらい宇宙が好きで

いつか宇宙に近づきたいと思っていたそうです。

 

そこで、会社に何の許可もえず、文部科学省に行って、

宇宙でCMを撮りましょうと提案。

電通の名前ではなく、高松さんご自身の名前で、

国から、宇宙で撮影する権利を取得された。

そして、宇宙でCMを撮れるんですという権利を持って、

社内をまわった結果、大塚製薬で実現することになった。

 

打ち合わせの時には、CMプランナーのふりして、

スーツからわざわざカジュアルな服に着替えて、

挨拶の時は毎回「名刺忘れました」と言っていたそう(笑)

そうやって、社内の自分の部署の仕事とは全く関係の無い、

宇宙でCMを作る仕事を勝手にしてしまった。

それが・・・世界中のニュースになって、世界的な広告賞を受賞。

もはや会社が彼を営業にしておくわけにはいかなくなって、

晴れてクリエイティブ局へ異動。

その後も、カップヌードルなど、宇宙のCMをたくさん作り、

今は宇宙の撮影に関する会社の代表として、活躍されています。

 

高松さんの言葉で、一番印象に残っているのは、

 

どうしてもやりたいことがあって、それが自分だけではなくて、

他人にも価値があると思えるものであれば、

たとえ超法規的な動きをすることがあったとしても、

それはいいんじゃないか。

 

という言葉。

 

あなたがやりたいことをきわめていく中で、

誰かの役に立ち、それがあなたにしかできないことになったら、

 

あなたが、やりたいことをすること=誰かの願いにもなる。

あなたのやりたいことは、

どんな人の、どんな役に立つことなのか、

そしてそれが他の誰にもできないことに磨き上げるためには、

必要なことは何か。

 

本当にやりたいことをして生きていくために、

自分のエゴだけを押し通すのではなく、 

いかに役に立てるかをつきつめて考えてみることが大切なことなのですよね。